「何もしない」が最高の贅沢だった。
子連れ旅は、どうしてもやることで埋まる。
移動、観光、食事、お風呂、寝かしつけ。
気づけば「旅行したのに疲れた」なんてこともある。
でも、リッツ・カールトン・ニセコで過ごした一夜は違った。

- 羊蹄山の稜線をぼんやり眺める
- 湯気が抜けた瞬間の景色
- 子どもが眠った後、灯りを落とした部屋
派手さはない。でも「また、あの静けさに会いたい」と思える旅だった。
この記事でわかること
- リッツ・カールトン・ニセコの雰囲気と過ごし方
- 子連れでも「楽」だった理由
- 温泉・食事・部屋のリアルな体験
- 価格帯とお得な予約方法
アクセス・到着|ニセコへの道と最初の30分

ルートと時間
北海道旅行の初日は登別に滞在。
朝の湯気と硫黄の匂いを背に、洞爺湖を経由してニセコへ。
湖面に雲の影がゆっくり流れる。洞爺で一枚だけ景色を切り取り、
羊蹄山の稜線(斜面)が顔を出して、ようやくニセコへ到着できる未来が見えた!
10月下旬の服装・車内環境
- 大人:薄手のダウンかウール
- 子ども:フリース+防風の一枚
- 首まわりの保温を優先すると体感が安定
- 匂いが残らない軽いおやつと、音の要らないおもちゃを少し
チェックインで肩の力が抜けた
玄関で名前をそっと呼ばれた瞬間、長い運転で固まっていた肩がするりと抜けた。

出されたのは、梅の酸がきゅっと効いたウェルカムドリンク。
冷たさと香りが喉にまっすぐ届いて、体の速度が旅の速度に切り替わる。
最初の30分でやったこと:
- 受付は要件のみ(身分証、支払い、朝夕の時間)
- 部屋に着いたら湿度と照明を自分仕様に
- 子どもの手が届く物を移動して安全地帯を作る
スタッフの距離感
説明は必要十分で、余計な言葉がない。
空間の温度がそのまま保たれる心地よさがあった。
お部屋紹介|窓と光で完結する「ニセコリザーブ キング」

ベッドと寝具
- 反発はややしっかりめ。朝の回復感が違う
- 寝返りの音が小さく、夜の静けさが保たれる
- 子どもが先に寝ても、起こさず動ける
ウェルカムアメニティ

リッツの近くにある高橋牧場から特別に提供されるクッキーやバスソルトです。
クッキーはおいしすぎたので帰りに高橋牧場で買い増しをしました!

アメニティ
Spa Chasi La Sothysの名前に入っている
フランスのブランドであるSothysで統一されているアメニティ!



客室ドライヤー

客室のドライヤーは、安定のダイソンでした。
大浴場はKOIZUMI

照明の使い方

日没前に天井灯を落とし、足元とテーブル灯だけ残す。
それだけで夜の輪郭がやわらぎ、部屋全体が落ち着いた空気に変わる。
ミニバー

冷蔵庫に入っている飲み物は全部飲んでいい、甘いものに手を伸ばしたくなるけど、ここでは温かいお茶が主役。
外の冷気と室内の温度が揃って、体が静かに整っていく。
温泉体験|大浴場vs客室露天、どちらを選ぶ?

大浴場のベストタイム

到着直後の15時台にのれんをくぐると、拍子抜けするほど静か。
客室数が限られる宿だからこそ、時間の選び方で静けさを最大化できる。
狙い目:
- 15時台(チェックイン直後)
- 朝食開始直後
- 雨の夜(内湯の音と雨音が重なって心地よい)
客室風呂の一瞬
息を合わせるみたいに湯面まで静かになる。
大浴場では味わえない「ひとり占めの静けさ」がここにはある。
二回しのリズム

おすすめは、夕食前と夜更けの二回。
- 夕食前(大浴場):移動の疲れを流す
- 夜更け(客室風呂):誰にも気を遣わず、好きなタイミングで
「このお風呂だけで、また来たい」と思える体験だった。
夕食・朝食|素直においしい、が一番うれしい

夕食|コース料理

控えめな品数だけど、満足度は十分!
主菜は火入れが見事。塩をひと粒添えると、旨味がふっと立ち上がる瞬間がわかる。
子ども皿の驚き
正直、期待していなかった。
でも運ばれてきたハンバーグを見て、考えが変わった。

- 無料とは思えない仕立て
- 火入れとソースが大人の水準に届いている
- テーブルの中心が一度、子どもに譲られる心地よさ
子ども皿で宿の本気度がわかる。 ここは、本気だった。
釜炊きご飯の締め方
蓋を開ける音までごちそう。
湯気を吸い込んでから少し置くと、粒が落ち着いて甘さが増す。何杯でも食べたくなる危険な味だった。
朝食「ゆきばな」

朝はハーフビュッフェ形式。卵料理か和食を選ぶ。
今回は和食「ゆきばな」を選択。温度の揃え方と盛りの清潔感が、寝ぼけた頭をすっと整えてくれる。
和食を選ぶ理由:
- 焼き魚は”香りで一口目を決める”と、ごはんの甘さが立つ
- ビュッフェと重複はあるが、白ごはん×出汁で満足感が上振れ
ハーフビュッフェ








食後の10分

窓辺で外を眺めるだけに使う。写真は一枚だけ。
記憶の余白を残すための時間。
子連れで泊まる|リッツ・カールトン・ニセコが楽な理由
予定を詰めないという贅沢

子連れ旅の鉄則は「予定を詰めない」こと。
でもこの宿は、そもそも詰める予定がない。部屋で過ごすだけで満たされるから、焦りが消える。
ターンダウンの先回り

夕食から部屋に戻ると、照明は一段落ち着いた色温度に。
ベッドには小さな個包装のケーキ。寝る前でも重くならないサイズ感がうれしい。

そして、子ども用のガウンがお風呂までそっと運ばれていた。次の一手を先回りしてくれる距離感が心地いい。
現実解の三点
- 風の強さと距離でベビーカー/抱っこ紐を切り替え
- 就寝は室温やや低め、掛け物で微調整
- 子どもの手が届く範囲を最初にチェック
派手じゃないから、子どもも静かになる
面白い発見だった。
キラキラした演出がないぶん、子どもも自然とトーンダウンする。
空間が静かだと、子どもも静かになる。
まとめ|価格・予約・また帰りたくなる理由
宿泊実績と価格
- 実績:10月・夕朝食付きで約8万円
- 見立て:冬は需要集中で大きく上振れ。予約と季節の相性設計が重要
季節ごとの狙い目
| 季節 | 特徴 |
|---|---|
| 春〜初夏 | 新緑と残雪のコントラスト。比較的予約が取りやすい |
| 夏 | 避暑需要あり。アクティビティ派向け |
| 秋 | 紅葉と静けさのバランス◎。今回はここ |
| 冬 | スキー需要で価格高騰。早めの予約必須 |
リッツ・カールトン・ニセコ 詳細情報
- 住所:北海道虻田郡ニセコ町曽我919-28
- 電話番号:0136-44-3491
- 客室数:全50室
- チェックイン:15:00〜
- チェックアウト:〜12:00
- 公式サイト:リッツ・カールトン・ニセコ
おわりに

派手さより、余白の美しさが残った旅だった。
羊蹄山の稜線、温度の合う湯、要らない言葉の少なさ。
次に来るなら、また15時に着いて梅の一杯でスイッチを入れ、夜は灯りを落とすところからはじめたい。
静けさを連れて帰る旅は、ここから何度でも始まる。




