なぜ今「とりあえずIT」が増えているのか
SaaS企業で働いていると、特にコロナ禍以降、周囲から「IT業界に行きたいんだよね」という相談を受ける機会が急に増えました。
僕自身、フルリモート・フルフレックスという柔軟な働き方の環境にいて、
それをうらやましがる声や、「なんか自由でよさそうだよね」という印象を持つ人は少なくなかったと思います。
でも、相談に乗っていていつも引っかかっていたのは、「で、あなたは何がしたいの?」という問いに対して、
ほとんどの人が答えられなかったことです。
- どんなスキルを活かしたいのか
- どんな働き方を理想としているのか
- 自分がITの中でどんな価値を出せるか
そのあたりの軸がふわっとしたまま、なんとなく“IT=かっこいい、自由、将来性ある”というイメージだけで動こうとしている。
この違和感は、何人もの相談を受ける中で、だんだん確信に変わっていきました。
コロナ禍をきっかけに変わった「仕事の当たり前」
まず前提として、コロナ禍を経て多くの人が働き方そのものに疑問を持ち始めました。
- 通勤がなくなったのに、なぜ戻る必要があるのか
- 対面での営業や接客は今後も必要なのか
- パソコン一台で働く人が、なぜあんなに自由に見えるのか
そんな疑問が積み重なり、IT業界は「これからも必要とされそう」「働き方も柔軟そう」というイメージを持たれるようになりました。
自分の意思ではなく「外側の流れ」で動き始めていないか
もちろん、IT業界を目指すのが悪いわけではありません。
むしろ、選択肢として広げていくべき業界です。
問題は、なぜそこに行きたいのかが言語化されていないまま、
外側の空気や他人のキャリアに影響されて動き始めてしまうことです。
一見ポジティブな選択に見えても、軸が曖昧なままだと、
入社後に「こんなはずじゃなかった」となる可能性が高くなります。
小まとめ
自分の言葉で理由を語れないまま、
周囲の空気やイメージでIT業界を目指してしまう人は想像以上に多いと感じます。
IT業界は間違いなく選択肢として魅力的です。
でも、それは「自分がどう働きたいか」が言語化されてこそ、生きる選択になります。
次章では、そうした思考の抜けが、どんな落とし穴につながるかを詳しく見ていきます。
IT業界と一括りにする人がハマる落とし穴
「IT業界に行きたいんです」
そう相談してくれた人の多くは、職種も業態もごちゃ混ぜの状態で話していました。
たとえば、
「営業がきつくて、カスタマーサクセスがいいかなと思って」
「エンジニアって将来性ありそうだし、手に職って感じがして」
「今より自由に働ける環境がよくて、ITが第一志望です」
気持ちはとてもよく分かります。
でもそのままでは、業界の入り口で迷子になります。
IT業界は“業界”ではなく“領域”に近い
まず前提として、「IT業界」という呼び方自体がすでに曖昧です。
ひとことでITといっても、仕事の中身も文化も働き方もまったく異なる世界が広がっています。
代表的なカテゴリをあげると以下のような違いがあります。
- SIer(システムインテグレーター):大企業のIT基盤を受託して構築する。クライアントワーク色が強く、開発環境は保守的な傾向。
- SES(システムエンジニアリングサービス):客先常駐型。エンジニアとして別企業に派遣され、実際は“社外”で働くスタイル。
- SaaS(クラウドサービス)企業:自社サービスを持ち、営業やカスタマーサクセス、マーケティングなど幅広い職種がある。
- 受託開発系企業:クライアントから依頼を受けてアプリやWebシステムを開発。プロジェクトごとに動くため変化が多い。
- Web系ベンチャー・スタートアップ:少数精鋭で裁量が大きく、急成長を狙う企業が多い。
これらの違いを把握せずに「ITに行きたい」とだけ言うのは、
“病院で働きたい”と言いながら、医者・看護師・事務・薬剤師の違いを理解していないのと同じです。
働き方も価値観も、まるで違う
同じIT業界でも、環境によって求められる働き方や価値観は大きく異なります。
例えば…
- クライアントワーク型(SIer・受託・SESなど)
→ 顧客の都合に合わせた動き方が基本。納期・調整・対外折衝が中心になる - 自社サービス型(SaaS・プロダクト会社)
→ ユーザー理解と長期的なプロダクト改善が仕事の軸になる
また、チームの規模や文化も違います。
- 固定の上下関係が明確で、指示系統がしっかりしている環境
- 少数精鋭で、自律型人材ばかりのフラットな組織
この違いに気づかず、求人情報の雰囲気だけで選ぶと、
「こんなにお客さん対応あると思ってなかった」
「もっと自由に働けると思ってた」
「ずっと1人で外勤なの、話と違う」
といったギャップに苦しむことになります。
名前だけ聞いて判断すると、業務内容とズレる
特に注意したいのは「職種名に惑わされること」です。
- カスタマーサクセス=ユーザーサポート、と思っていたら、ガッツリ営業的な提案が求められた
- IT営業=資料を出すだけかと思ったら、技術知識や案件設計が求められた
- Webディレクター=おしゃれな仕事かと思ったら、毎日スケジュールと仕様書に追われる日々だった
同じ職種名でも、会社や業態によって中身はまるで違います。
未経験者が「職種の響き」と「実際の仕事内容」を混同すると、入社後のギャップで早期離職に直結します。
小まとめ:ITという言葉に安心してはいけない
IT業界に挑戦することは素晴らしい選択です。
ただし、そこに入るためには、「どんな会社で、どんな役割を担うか」まで細かく理解することが必要です。
IT業界は広く、そして深い。
まずはその地図をしっかり描けないと、どこに向かって走っているのかすら分からなくなります。
次章では、未経験者が最初に選びがちな職種やポジションのリアルな実態について、もっと具体的に掘り下げていきます。
未経験が最初に選びがちな仕事の、リアルな現実
未経験からIT業界に入る場合、最初に選ばれやすい仕事にはパターンがあります。
「入りやすそう」「需要があると聞いた」「知り合いがやっているから」
そうした理由で選んだ結果、入ってから違和感やつらさを感じるケースは少なくありません。
この章では、未経験者が最初に選びがちな職種と、そこにある現実のギャップをいくつか紹介します。
SES:入ったはいいけど、自社に人がいない
エンジニア職で多いのがSES(システムエンジニアリングサービス)と呼ばれる働き方です。
自社に所属しつつ、顧客企業に常駐して働くというスタイルで、「未経験歓迎」の求人もよく見かけます。
でも実際に入ってみると、
- 配属先がどこか分からないまま研修だけで1ヶ月が過ぎる
- 現場に行ったら、周囲は全員他社の人間。自社の人は自分だけ
- フォロー体制が薄く、困っても相談できない
- 現場によっては雑用やテスト作業のみを延々とやらされる
こんな状況に置かれて、「IT業界に来たのに、全然IT感がない」と感じている人も少なくありません。
何よりも、自分のキャリアがどう成長していくのかが見えづらい働き方です。
カスタマーサクセス:営業より難しいと感じることも
SaaS企業でよく募集されているのがカスタマーサクセス職。
ユーザーに寄り添い、サービスの活用を支援していく仕事です。
ここでのよくある誤解は、「営業じゃないから楽そう」「顧客対応メインで、プレッシャーが少ない」というイメージ。
でも実際は、
- 顧客の成果にコミットしないと意味がない
- 数値目標はなくても、利用率や解約率でプレッシャーがかかる
- プロダクト知識だけでなく、顧客業務や課題への理解も求められる
- 「質問対応係」ではなく、「戦略パートナー」としての動きが必要になる
思ったよりずっと主体性が求められ、黙っていれば評価されるようなポジションではありません。
インサイドセールス:数とスピード、そして忍耐
営業職として入りやすいのが、インサイドセールス。
訪問せず、電話やメールで商談機会をつくる役割で、SaaS企業やWebサービス企業での募集が多いです。
ただ、未経験で入ると、業務のハードさに驚く人もいます。
- 毎日何十件もの架電をし続ける
- スクリプト通りに話すだけでは通用しない
- 顧客の温度感を読み取り、営業やマーケと連携が必要
- 成果が見えにくく、評価もされにくい時期が長い
地味な反復作業に加えて、頭を使いながらのコミュニケーションが求められるため、最初の数ヶ月で消耗してしまう人もいます。
Webマーケ:キラキラして見えるけど、地味で泥臭い
「未経験からWebマーケに挑戦したい」という声も非常に多いです。
ただ、マーケ職は想像以上に“裏方”であり、PDCAの繰り返しです。
- 分析ツールを覚えるのに時間がかかる
- 数字の責任が重く、報告資料の作成が大半
- 施策の効果はすぐ出ない
- 「なんか成果が出そう」で動くと、すぐ潰れる
人を動かす面白さはあるものの、華やかな面ばかりを期待していると、現実にギャップを感じます。
小まとめ:入りやすさと、合っているかは別
未経験歓迎の職種には入りやすさがあります。
でも、自分に合っているかどうかはまた別の話です。
- 孤立が苦手なら、SESより社内完結型の企業の方が合う
- 自分で考えて動くのが得意なら、CS職や企画系はハマる可能性がある
- 手触り感が欲しい人にとっては、マーケより営業の方が合っていることもある
大切なのは、自分が求めているのが「職種」なのか「働き方」なのか、しっかり見極めることです。
詰む人の共通点、うまくいく人の違い
未経験でIT業界に転職して、うまく馴染めずに離職してしまう人もいれば、最初は苦戦しながらも少しずつ成果を出して評価されていく人もいます。
同じようなバックグラウンド、同じような年齢層でも、なぜここまで違いが出るのでしょうか。
そこには、行動の仕方や考え方に明確な差があります。
この章では、詰む人とうまくいく人のパターンを並べながら、その違いを整理していきます。
詰む人の特徴1 目的がぼんやりしたまま動いている
「とりあえずITに行けば何か見つかるかも」
「自由に働けるって聞いたから」
「なんとなく伸びてる業界だから乗っておきたい」
動機がこうした“ふわっとした期待”だけだと、入社してから現実とのギャップにやられます。
業界や職種に魅力を感じるのは良いことです。
でも、それを自分のキャリアや強みとどう結びつけるのかを考えていないと、入ってから何を軸に頑張ればいいかが分からなくなります。
詰む人の特徴2 職種とスキルの関係が曖昧
「CSはコミュ力があればいける」
「営業からマーケに行きたい」
「なんとなくエンジニアもありかも」
こうした発言に共通するのは、職種ごとに求められるスキルや思考の違いを十分に理解していないことです。
スキルをどう活かすかより、響きやイメージで職種を選んでしまうと、
実際に求められる業務との間にズレが生まれ、「思っていたのと違う」と感じる原因になります。
詰む人の特徴3 受け身で指示を待ってしまう
特に大手出身者に多いのが、環境に順応しようとするあまり、動きが慎重になりすぎてしまうパターンです。
- 何をしていいか分からないから様子を見る
- 正解が分からないから手を出さない
- 先輩や上司の動きを待ってしまう
IT企業の多くは変化が激しく、明確なマニュアルがないことも珍しくありません。
そこで指示待ちになると、周囲からも見えにくくなり、評価されないまま時間だけが過ぎていきます。
一方、うまくいく人に共通しているのは「自分で決めて動いている」こと
うまくIT業界に適応していく人たちは、はじめから何でも分かっているわけではありません。
ただ一つ違うのは、正解がない中でも、自分の中で目的や優先順位を決めて行動していることです。
- 顧客理解を深めるために、実際にサービスを触ってみる
- 評価軸が曖昧なら、自分でKPIを設定してみる
- うまくいかない時も、「どう改善するか」を言語化して上司に相談する
こうした動き方ができる人は、スタートラインが未経験でも、徐々に信頼を得て活躍の場を広げていきます。
小まとめ:職種や企業ではなく、自分の動き方が成否を分ける
未経験からの転職では、どんな職種を選ぶかももちろん大事です。
でも実はそれ以上に、入った後の“考え方”と“動き方”の方が、キャリアの分かれ道になります。
- ゴールのない仕事にどう向き合うか
- 指示がない時に、自分で何を定義するか
- ギャップを「外側のせい」にせず、自分の行動を変えられるか
このあたりに自覚が持てるようになると、どの職種に行っても、再現性のあるキャリアを築くことができます。
「IT業界に行きたい」ではなく「どう働きたいか」で考えるべき理由
IT業界に行きたいという人に、必ず一度問いかけるようにしていることがあります。
それは
「その中で、自分はどう働いていたいと思ってる?」
ということです。
技術がどうとか、環境がどうとかよりも、まずそこをはっきりさせておかないと、
転職したあとに「なんか違う」「合わない」と感じる確率が一気に高くなります。
ITは“業界”というより“構造”。働き方は会社ごとに全然違う
一見同じように見えるIT企業でも、働き方はまるで違います。
- スピード感重視でとにかく走る文化の会社
- 落ち着いたプロジェクト型で丁寧に開発を進める会社
- 個人の裁量が大きく任せられる会社
- マネジメントやプロセス重視でロジカルな会社
どこが良い悪いではなく、自分がどんなスタイルで働くと強みを発揮しやすいのかを理解しておくことが、職種選び以上に重要です。
「何をやるか」より「どう働くか」を考えるべき理由
よくある失敗の一つが、「マーケやってみたい」「CSが人気らしい」と“職種”から入ってしまうことです。
でも、未経験から職種に飛び込む時点では、その中身の理解はどうしても浅くなりがち。
だからこそ、先に考えておきたいのは、
- チームで働きたいのか、個人で進めたいのか
- 指示が欲しいタイプか、自由な方が燃えるのか
- 成果が数字で見えた方がモチベーションになるか、それとも反響や感謝の方が響くか
こうした“働くうえでの自分のスタイル”です。
これがはっきりしていれば、たとえ未経験の職種でも、環境さえマッチしていれば驚くほど早く馴染むことができます。
若いうちは、あえて「何でもやる」のが強い理由
僕自身、SaaS企業で働く中で思うのは、IT業界ほど「知識と経験がつながりやすい業界」はないということです。
幅広く手を出せば出すほど、それぞれの点が徐々につながり、やがて線になっていく。
点と点の因果関係が見えるようになってくると、初めてのことにもパターンが見えるようになります。
- マーケの経験がCSで活きる
- 営業で培ったヒアリング力がUXリサーチで活きる
- 社内ツールの改善提案が、のちに開発側とのブリッジにつながる
最初は散らばっていた小さな経験が、後から「この順番で経験してよかった」と思えるようになる。
それが、IT業界で若いうちにいろんなことを経験することの一番の価値です。
働き方のスタイルを主語にすれば、職種選びはブレなくなる
どう働きたいのか、どんな価値を届けたいのかが言語化されていれば、
たとえ未経験でも、表面的な情報に流されず、長く続けられる職種を選ぶことができます。
- ひとりよりもチームで支える仕事をしたい
- 手触り感がある仕事の方がモチベーションになる
- 顧客よりも、社内の改善や仕組みづくりに熱が入る
こういった“働く軸”があると、迷ったときの判断がブレません。
小まとめ:自分の働き方を知れば、IT業界はむしろ生きやすい
IT業界は、職種も多く、会社によって求められるスタイルも大きく違います。
だからこそ、「この会社、この職種で、自分はどう働くか」を先に考えておくと、
思った以上に長く、自分らしく働ける場所にたどり着けます。
そして、手を広げて得た経験は、必ずあとで武器になります。
若いうちは遠慮せず、むしろ遠回りに見える選択を恐れないこと。
その経験が、数年後の自分を支えてくれる日が必ずきます。
生き残るための選び方と、転職前にやるべきこと
IT業界は間違いなく成長産業です。
未経験者にも門戸は開かれていて、うまくマッチすれば大きくキャリアを伸ばせます。
でもその反面、入ってすぐに自信をなくしたり、環境に馴染めず離れていく人もたくさん見てきました。
生き残るかどうかは、職種や企業の選び方もそうですが、それ以上に「どんな準備をして入ってきたか」に大きく左右されます。
この章では、未経験からIT業界を目指す人が、転職前にやっておくべきことを5つの視点で整理します。
1. 自分の「働き方の癖」を知る
どんなに優れた企業でも、働き方のスタイルが合わなければ苦しくなります。
まずは自分の働き方の傾向を正直に整理してみてください。
- 指示があった方が安心するか、自分で考えた方が動きやすいか
- スピード優先が得意か、じっくり型か
- 人と関わる方がエネルギーが出るか、それとも集中して作業する方が合っているか
自分の癖を知っておくと、入ってから「なんか違う」と感じた時にも、自分がどこでつまずいているのかが見えやすくなります。
2. 「職種ありき」ではなく、「状態ありき」で考える
未経験からの転職では、「マーケやってみたい」「CSに興味がある」など職種ベースで考えがちです。
でも、実際の仕事は環境によって中身が変わるもの。
職種よりも、
- 毎日どんな状態で働きたいか
- 誰と、どんなテンポで、どんな目的に向かっていたいか
- 仕事のどこに達成感を感じるか
こうした状態ベースで職種を選ぶと、業務内容に多少の違いがあっても気持ちがぶれにくくなります。
3. 気になる企業の“職種の実態”を掘り下げておく
同じ職種名でも、企業によって中身は全然違います。
たとえば、カスタマーサクセス一つとっても、
- 既存顧客対応に専念する会社
- セールスと連携してアップセルを狙う会社
- 技術的なサポートや導入支援が中心の会社
業務範囲、求められる知識、関わる人の種類がまったく異なります。
求人票だけでなく、面談での深掘りや、現場社員へのカジュアル面談を通じて、その職種の実像を把握しておくことが必要です。
4. 現職で“IT的な動き方”を試してみる
今すぐ転職しなくても、現職でIT的な動き方に近いことを試すことはできます。
たとえば、
- 日々の業務で使っているツール(Notion、Slack、Google Workspaceなど)を自分で効率化してみる
- Excelの関数や自動化に取り組んでみる
- 業務改善のアイデアをまとめて、チームで共有してみる
こういった“自分で仕組みを改善する”視点は、どんな職種であってもIT業界では確実に武器になります。
5. 小さく試し、小さく修正する癖をつける
IT業界の仕事は、正解がはじめから見えていることの方が少ないです。
そのため、完璧に準備してから動くより、小さく動いて学んで修正していく力が重要になります。
- 情報を集めながら、まずは1社面談してみる
- 業界イベントや勉強会に参加してみる
- SNSで現場の人をフォローしてみる
こうした行動を通して、「やっぱり違った」「もっとこうしたい」が見えてきたら、それは進んでいる証拠です。
小まとめ:IT業界に入る前に、自分なりの“地図”を描いておこう
未経験からの転職は、情報が多い分、迷いやすいです。
だからこそ、何となく進むのではなく、自分の視点や癖を踏まえて戦略的に準備することが大事です。
業界研究、職種理解、自己棚卸し、現職での実験。
全部やろうとしなくていいので、できることから少しずつ始めてみてください。
それだけで、転職後にぶれずに走れる力が確実に育ちます。
あなたに合うIT転職の軸を見つけるヒント
IT業界に挑戦するのは、決して簡単な道ではありません。
でも、それは“誰にでも無理”という意味ではなく、“自分に合った入り方をすればちゃんと道がひらける”ということだと思います。
未経験だからこそ迷う。情報が多いからこそ不安になる。
それでも、今こうしてこの記事を最後まで読んでいるあなたは、すでに一歩踏み出している人です。
「どこに入るか」ではなく「どう活きるか」
会社選びをするとき、多くの人がつい「知名度」「業界ポジション」「働きやすさ」に目を向けがちです。
もちろんそれも大事ですが、長く活躍している人は、入る前からこんな視点を持っています。
- この会社で、自分のどんな力を伸ばせそうか
- この環境で、どんな役割を果たしていけそうか
- 自分がここでどう価値を出せるか、想像できるか
条件だけで選ぶ転職は、条件が変わった途端に不満になります。
でも、自分なりの目的や問いを持って選んだ会社は、どんな変化があっても前向きに対応できます。
軸は「過去」より「これからの働き方」で決めていい
転職ではつい、「これまでの経験をどう活かせるか」で考えがちです。
でも、未経験からIT業界に飛び込むなら、“これからどんな働き方をしたいか”を主軸にしても構いません。
- チームで戦うのが好き
- 数字で評価されたい
- ユーザーの声を聞くのが好き
- 静かにコツコツ進める方が向いている
こうした自分のスタイルを認識できれば、
たとえ未経験でも、「この職種・この会社ならいけそうだな」と納得して選べるようになります。
やる前に悩むより、やりながら整える
ここまで読んで、「自分にはまだ足りないかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。
でも大丈夫です。完璧に準備してから飛び込める人なんて、ほとんどいません。
大事なのは、やりながら学ぶ覚悟があるかどうか。
手を動かしながら、知識を広げて、点をつなげていく。
初見の場面でも、過去の経験を引き出しながら対応できるようになる。
IT業界は、そのサイクルが誰より早く、成果に反映されやすい場所です。
最後に:キャリアは“選ばれるもの”ではなく“自分でつくるもの”
IT業界に向いているかどうかを決めるのは、企業でもSNSでもなく、あなた自身です。
転職に必要なのは、特別なスキルよりも、自分の働き方や価値観をちゃんと持っていること。
- 自分の軸で会社を選ぶ
- 自分の意思でキャリアをつくる
- 自分の言葉で動き方を決めていく
それができれば、未経験からでもちゃんと道はひらけます。
あなたが、IT業界という大きな世界の中で、
「ここでなら自分らしく働けそうだ」と思える場所にたどり着けることを願っています。
そしてその一歩が、今のあなたの中にある“なんとなくの興味”から始まっていたなら、
この記事はきっと意味があったと思います。